どたばた大冒険

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01. start off(始まっちゃいました)

 トトトン。トトトン――。セレスは机上の白便箋を眺めながら、右手で天板を小突いていた。時々、フと思い出したかのように羽根ペンを手に取り、文章を綴ろうとするけど、なかなかいい文面が思い浮かばない。セレスは羽根ペンをインク瓶に突っ込んで、背もたれにもたれて仰け反った。
「あ〜ぁ、何か、ないかなぁ」
 伸びから戻ると、困り果てたかのように眉を寄せて頭をボリボリ。
「! 待てよ。待てよっ!」
 セレスは不意に何かを閃いたのか、瞳をキラと輝かせた。椅子に座り直して、無造作にインク瓶に入れてインクだらけになった羽根ペンの軸を吸い取り紙で拭くと、紙にペンを走らせる。
「あれから、二年が過ぎた。あのごたごたにけりが付くまですごく時間がかかったけれど、どうにか落ち着きを取り戻したよ。デュレは進学して、学者を目指すんだって。あたしは相変わらず、トレジャーハンターをやってるけど、半分はデュレと一緒の仕事。最近はあたし、デュレの助手にでも転職しようかなぁって思ってるんだ。久須那はちゃっかり考古学研究室の客員教授に収まってる。そのうち正式に魔法学の研究室が出来たらそっちに行くみたいだよ。デュレも三年次には久須那さんのところに行くみたい。ウィズは騎兵隊長をやってるよ。柄でもないくせに。迷夢は再び生還。天使がなかなか死なないってのはホントなのね。けど、この前のは相当堪えたらしくて、すっかりちんまいまんまの小憎らしい可愛い迷夢。背の丈はクリルカと一緒くらいかなぁ。あ〜そうそう、肝心な娘のこと忘れてたね。シルトはちゃっきーをときたま相棒にして元気いっぱいにテレネンセスを駆け回ってる」
 ちゃぽん。インク飛沫が散るのも構わずにセレスはペンをインク瓶に投げ込んだ。
「セーレースちゃん。誰にお手紙を書いてるんですか?」
 背後から唐突にドアを開ける音が聞こえて、デュレの気味の悪い声が届く。
「ちょぉっと、部屋にはいる時はちゃんとノックしてよねっ」セレスは背中全体で紙を隠した。
「ノックはしました。でも、聞こえていないんじゃ、意味ないですよね?」
「もぉ! 何で、キミはいつでも敵対心を燃やしてるのよ。あたしはキミのこと親友だって思ってるのに。キミはあたしのこと、どう思ってるの!」
 セレスはちょっとだけ頬をふくらませて、デュレに食ってかかった。
「馬鹿みたい。……今更、聞くほどのことでもないでしょう?」デュレはキョトンとして、セレスを見澄ました。「わたしはセレスのこと、友達以上、大切な助手さんだと思ってるのに。でなかったら、同じ屋根の下に住んでられるわけないでしょ!」
 デュレは最後の一言を特に強調した。
「で、その手紙は誰宛なのかしら?」デュレはセレスの背中に身体を預けて体重をかけた。
「むぅ〜、誰だっていいじゃん、そんなの」
「何を恥ずかしがってるんですか? 一丁前に?」
「は……、恥ずかしがってなんかないもんっ。と、父さんにだよ。しばらく会ってないし、みんなの近況でもお便りしてあげようと思って。今頃、何をしてるのかな」
 セレスは羽根ペンをコトと机上に転がすと改めてデュレに向き直った。
「な? 何ですか?」デュレは少しばかり驚いて、身を引いた。するとセレスはクスッとした。
「腹減った。お昼ご飯、呼びに来てくれたんだよね?」
「いいえ!」デュレは少しカチンときたのか、ふて腐れたように言った。「セレスに食べさせるご飯なんてこの家にはありません」さらには腕を組んで、セレスから顔を背ける。
「……あの、それはちょっと困るんだけど。――それに素直じゃない……」
「誰が素直じゃないですって?」目線だけがセレスに舞い戻る。
「いえ、その、デュレが……」デュレは腕を組んでタンと一つ足踏みをした。「あ〜いや、何でもないですわぁ。――ごめんなさいです、はい……」
「判ればよろしい」
「お〜怖……」セレスは嵐が過ぎ去って、ホッと胸をなで下ろした。
「……セレスはいつも一言余計なんです」
 デュレはその“一言”さえも聞き逃さずにセレスの耳元でそっと苦情を囁くと、クルッと身を翻して戸口に向けて歩き出した。
「ふへぇ……。キミは二言は多いよね……?」
「聞こえてますっ!」
 デュレは戸口で立ち止まると眼差しだけを向け、セレスに釘を刺す。
「うへっ! ごめんなさい。以後、気を付けます」
 セレスは両手を合わせて拝み倒す。本当に機嫌を損ねてしまうと、本気でお昼ご飯を食べ損ねる可能性が一気に増大してしまうのだ。いつぞやは三食抜きで丸一日放って置かれてしまった。別段、自分で炊事をしたらいいだけなのだけど、セレスが何かを始めれば、シンクを汚しただの、後片付けがなってないだのと苦情を言い出されてイヤなのだ。
「よろしいっ! ――あ、それから、お食事はシルトが帰ったらね。それまでにはお父さま宛のお手紙を仕上げてしまうこと」
 と言って、デュレはドバンと激しく扉を閉めて、セレスの部屋を出て行った。瞬間、セレスはようやくうるさいのが出て行ったとばかりにダランと机に突っ伏した。
「全く、も〜、油断も隙もあったもんじゃないんだから」
 セレスはムクッと身を起こして、手紙の続きに取りかかった。
「ま、あたしたちはどうにかこうにか上手くやってるよ。平穏無事なこんな時がいつまでも続けばいいな。気が付いたら、誰かがいなくなっているようなそんな過酷な冒険はもういいよ。けど、あの冒険を通して得たものも多かった。なくしたものも多かったけどけど」
 ぐぎゅる〜〜〜ぅ。
 手紙のまとめにかかる大事な場面でセレスのお腹が大きな音で派手に鳴った。
「うぅ……あたしのお腹は深刻なエネルギー不足に直面してるのだ」
 セレスは羽根ペンを放り投げると椅子をひっくり返して勢いよく立ち上がった。お腹が減ってはいい考えが浮かばないというものだ。セレスはそそくさと部屋を出て、デュレがダイニングで本を読んでいるのを見つけると、開口一番に言った。
「ねぇ、デュレ。シルト、まだ帰ってこないの?」
「……もう帰ってくるこ頃だと思いますけど、どうしてですか?」
 デュレは読んでいた本をポスンと閉じて、顔を上げた。
「だって、お腹空いたし……。お昼食べたら、遊ぼうかなあ。なんて」
 セレスは頭の後ろに手を回して、大きく伸びをした。それを見て、デュレはクスリ。
「『遊ばれる』の間違いなんじゃない?」
「あ? な、何言ってるのさ、キミ。あっ、あたしがシルトになんか遊ばれるワケないしょ? これでもあたしの方がおねぇーさまなんだから」見透かされて、焦ったようにセレスは言った。
「そーですか? 精霊シルトはお子ちゃまだけど、魔力とパワーは桁外れ。セレスなんて一発でけちょん。違いますか?」
「あぅ――」実際にそうなのだから、セレスは何も言えなくなった。
「ほう、図星。もっと精進しなくちゃね」
「へい」もごもごと答える。「あ、あのさ。あたし、そこら辺まで捜してくるわ。なぁ〜んか、待ってるだけってのもつまんないし。ぽ〜っとしてるのもね。ついでに、ここにいたらデュレの小言も聞いてやんなきゃならないし――。そんなのごめんだし」
 セレスは一旦、部屋の戻っていつもの標準装備品、狩猟用の大弓と矢筒を背負って出てくると、デュレの追及から逃れるためにそそくさと玄関口に向かった。
「……どこへ行くつもりですか、セレスちゃん♪ もうすぐ、お昼。帰ってきますよ」
「そ〜は思えないんだけどなぁ。鉄砲玉みたいじゃんあの娘」
 ため息をつきながら立ち止まると、セレスはデュレのいる方を向いた。
「ま、そこら辺はセレスと大差ないですね」
「にゃにぃ〜っ。あたしとシルトを一緒にするなっ!」
 セレスは腕を組んでぷいっとそっぽを向いた。
「一緒でしょ。全く。そのすぐむくれる辺りとかはそっくり」
 デュレは遠慮なく、ここぞとばかりに捲し立てる。チャンスを見つければ、容赦はしない。それが親友だろうと敵だろうと基本方針は変わらない。でなければ、自分自身がやられてしまう。二年前の遺跡発掘の時に身をもって体験したことだ。
「もう、いい。あったま来た。デュレったら、いっつもそんなんであたしのこと、けなすんだもの。嫌になっちゃう」
 とデュレに悪態を付きながら、セレスは一旦、壁に立てかけた弓を手に取った。
「どこに行くんですか、セレスちゃん♪」デュレは面白がって、再び問う。
「だぁかぁらぁ、シルトを捜しに行くんだって言ったじゃん。いつまでも待ってたら、お昼ご飯、食いっぱぐれそうだし。黙って待ってるくらいなら捜してきた方が百倍ましよ」
 セレスは弓を右肩に引っかけて、左手をヒラヒラと振った。
 そして、あまりやる気もなさそうにクルッと振り向いて、玄関ドアのドアノブを握ろうとした瞬間。ドアが勢いよく開いて、セレスはドアノブと一緒につんのめって前に俯せに倒れた。そして、飛び込んできたシルトに背中を思い切りよく背中を踏んづけられた。
「うぎゃっ!」
「どうしたんですか、ヒキガエルを潰したような声を出して?」
 セレスとは反対方向を向いていたデュレは瞬間、状況を把握しきれずに尋ねる。
「ひ、ヒキガエルって。あたしってば、何なのよっ!」
 セレスは左にゴロンと転がって仰向けになると、床に転がった弓を拾ってムクリと起きあがった。その頃には、シルトはデュレの前に立って今にも泣き出しそうな雰囲気を湛えて、その瞳を見詰めていた。セレスはため息をつきながら、頭を掻いてデュレとシルトに歩み寄った。
「コラ、シルト! 人を踏むなってあれほど言ったのに聞いてなかったのか」
 と、セレスが怒鳴るも、シルトは全く気にもとめずにデュレとしばらく見つめ合っていた。
「……? どうしたんですか?」シルトの様子に不安を感じてデュレは言う。
「デュレ、どうしよう。ワタシ、アミュレットなくしちゃったみたい……」
「シルトっ! あたしは無視かいっ!」
「……あら、いたんだ。セレス」
「いたんだって、キミね。あたしは石ころと一緒かい?」
 すると、シルトは何が違うのと言いたげにセレスを上から下まで軽く眺め回した。そして、急いで帰ってきた理由を思い出し、わっと泣き出してデュレの胸に抱きついた。
「アミュレット……」
「アミュレット……がどうしたんですか?」
「なくしちゃったみたいなの……」シルトは哀しげに目を潤ませて、モゴモゴと言う。
「なくしちゃったみたい?」デュレは抱きついたシルトの肩を押さえて、引き離した。そして、目線を合わせるように中腰になる。「ちょ、ちょっと、今、何て言いました?」

 デュレは驚きを通り越えた衝撃を受けた。アミュレットはシルトにとっての命にに他ならない。それはシメオンにあるシルトの本体の精霊核からパワーを転送する役割を担っている。そのアミュレットをなくしてしまったら、シルトはこの場に丸二日と存在していられない。
「だから……、なくしちゃったみたいって……」
「そ、そ、そ、それっ」言葉にすらなりはしない。
「それはどゆことって言いたいらしいよ」セレスが代弁する。「そして、デュレは深呼吸して、落ち着きなよ。何を言いたいんだか、全然判らないから」
「どゆことって、こゆことなんだもの……」
 シルトはペンダントトップのなくなったペンダントの鎖をデュレの眼前に垂らした。その鎖の先のペンダントトップのあった辺りを見るに付け、デュレはすっかり言葉を失ってしまった。
「……」額を抑えて、目を閉じて、デュレは床にうずくまった。
「ペンダントがただの鎖になっちゃったね……」
 セレスはシルトの手のひらを覗き込んで、感慨深げに短い感想を述べる。
「ど、どこに落としてきたか覚えていないの?」
「覚えてない……。だって、遊ぶのに忙しくて気が付いたらなかったんだもの……」
 シルトは口の中でモゴモゴと呟き、そのまま意気消沈して下を向いてしまった。さて、困った。デュレの知る限りではシルトの交友範囲はやたらと広い。シルト本人に目星が付けられないのなら、他人なんて欠けらも判るはずがない。
「じゃ、今日、行ったところを言ってみて?」
「判んな〜い」あっちを向いて、セレスがポツンと言う。
「! 余計なことを言わない」デュレはキッとセレスを睨む。「お話がこんがらかります」
「でも、ホントに判らないかも……」
 シルトは鎖だけになったペンダントをしきりにいじりながらうつむいていた。
「これ、なくしちゃったら、ワタシ、デュレとセレスの傍にいられなくなっちゃう。そんなのヤダよ」シルトはまた、ばっとデュレに抱きついた。「だって、そんなのヤなんだから。シメオンになんて、帰りたくない。クリルカとジーゼとみんなと遊びたい。一人はもうイヤ……」
 シルトは涙目でデュレに訴えかけた。
「でも、どうしましょう……」デュレはほとほと困り果てたかのように左手であごに触れた。
「じゃぁさ、シルトの今日の行動を追い掛けよ? 歩いたら、どこに行ったか思い出すかもしれないし――、ね?」セレスはニパッと楽しそうな笑みを浮かべた。
「……さっきまで、腹減ったとか何とか言ってた癖に」デュレは軽蔑の眼差し。
「なぁ〜にけ〜べつの眼差しを送ってるのよ、キミはぁ。シルトの一大事に飯なんか呑気に」
 ぎゅるるぅ〜〜とセレスのお腹が大きな音を立てた。
「あう〜、やっぱり、お昼ご飯を食べてからにしよっか? ほらほら、腹が減っては戦も出来ぬとか何とかさ……」
「言ってることと、やろうとしていることが百八十度違います!」
 デュレは腕を組んで足をパタパタさせた。苛立ってる時はいつもそうなのだ。
「いいですか、シルトの一大事に呑気に食事なんてしてる場合じゃないでしょう? シルトがあの廃墟に帰らなくちゃならなくなったり、消えちゃったりしたら、あなたのせいですからねっ!」
 組んでいた腕を解くと、左手を腰に当て、右手で思い切りセレスを指さした。
「幾ら何でも、そりゃないんじゃない? あたしだって、こぉ〜んなに」セレスは両腕を広げて大きな円を描いて見せた。「シルトのこと考えてるんだよ」
「全然そうは見えませんけど……」片目を瞑って、足をパタパタさせた。
「ま、いいや。その辺のところをキミに理解してもらおうってだけ、無駄そうだし」左手をヒラヒラ。「そんなことより、探しに行かないと。だってさ、好奇心いっぱいに走り回るシルトを支えるには莫大なエネルギーが要りそうだし、もって明日の晩までとあたしはみたっ!」
 と、セレスはデュレの顔を見澄まして得意げに言った。
 すると、デュレは言葉を発さず指先で“そっちそっち”とシルトを指した。
「うんにゃ? 何? 言いたいことがあるなら、口で……」
 セレスが言いかけたところを、デュレはセレスの脇腹を掴んで強引にシルトの方を向かせた。
「――どうして、そんなこと言っちゃうのぉ〜。セレスはワタシのこと嫌いなの?」
「ぉお?」セレスは瞬間たじろいだ。
 シルトの真紅の双眸からボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちていた。
「あ、いや、嫌いとか、そんなんじゃなくて、ただ……。うんっ! ただの言葉のあやよっ! ね、ねっ? いざとなったらデュレのフォワードスペルで一度、シメオンに帰って、それから……」
 セレスもこれ以上、シルトの感情を乱すまいと必死になった。派手に機嫌を損ねると、バンシーボイスのクリルカどころの騒ぎではない。闇を根元に持つシルトの魔力は半端ではなく、暴走するとデュレでさえ手が付けられないことがこの間、発覚したばかりなのだ。ついでに、シルトを敵に回せば、セレスにとっての超難敵とも言えるデュレのおまけ付きだ。
「イヤっ! ホンのちょっとだけでも帰りたくないのっ!」
「あやや」どうしようかと思って、助けを乞おうとしたら、デュレはつーん反対を向いていた。
「セレスだって同じでしょ? 地中海の島になんて絶対に帰りたくないくせにっ。なのに、ワタシには軽くそんなこと言っちゃって、ずるいんだからっ!」
「あの……何で、そんなことまで知ってるかな、キミは?」
 セレスは驚きを通り越して、惚けてしまいたいほどだった。そう言った内緒事をどこから仕入れてくるのか、その情報ソースを知りたくなる。トレジャーハントを生業にするセレスが利用する情報屋とは無関係なのは確実だが、それ以上のことは未だ掴めていないのだ。
「セレスっ? そんなことは後にして出掛けますよ」
 シルトからその情報ソースを問いただそうかと考えた瞬間、デュレの有無を言わせぬ強い口調がセレスの耳の中に轟き渡った。
「で、出掛ける?」セレスは素っ頓狂な声を上げた。
「何、変な声を出してるんですか? シルトの行動を追い掛けようって提案したのはセレスじゃない? じっとしてても解決しないなら、行動あるのみ。それって、わたしじゃなくてセレスの行動規範の一つよね?」デュレは一気に畳みかける。
「うん……」デュレの発言にセレスは小さく頷いた。
「じゃ、文句、苦情は何もありませんよね? セレスの意見なんだから」
 デュレは勝ち誇ったかのようなはつらつとした笑みをセレスにこれ見よがしに見せつけて、セレスははめられたと言わんばかりの勢いで口元に悔しさを滲ませながらデュレを睨み付けた。しかし、デュレはそんなことを意に介することなくシルトを促した。
「ほら、シルト。探しに行きますよ。ちょっとでも時間を無駄に出来ません」
「デュレっ!」涙に濡れていたシルトの顔がパッと明るく輝いた。
「シルトって猫の目みたいだよね。くるくるころころ表情がよく変わる……」
 セレスは半分、諦めのどよ〜んとした覇気のなくなった表情をしていた。
「セレスはぐずぐず言わないの」トドメを刺す。
「ひゃい……」思わずうなだれる。「ああ……。あたしのお昼ご飯は何処へ……」
「何か、言いましたか? セレス」
 デュレはキッと鋭い眼差しをセレスに差し向け睨み付けた。
「……いいえ。……もう、諦めましたです……、はい――」
 セレスはがっくりと肩を落とした。

文:篠原くれん 挿絵:晴嵐改