12の精霊核

←PREVIOUS  NEXT→

interlude 1(森の奥へ)

 陽もだいぶん高くなって、森の中も暖かくなってきました。今日は、あなたがじっくりとお話しに耳を傾けてくれるから、エルフの森はちょっぴり上機嫌。いつもより、晴れやかな空気を湛えています。だから、爽やかな優しい風が森の甘い香りを運んできてくれるのです。
 では、もう少し、奥の方まで足を運んでみましょうか。そっと抱き留めるように受け止めてもらえたのなら、再びジーゼに優しく問い掛けましょう。
「もっと続きを聞かせてよ」
 ジーゼはきっと、快く応じてくれます。何故なら、ここまで聞いたあなたは、もう、ジーゼとエルフの森の大切なお友達。拒絶する理由なんてないのですから。ひょっとしたら、あなたを迎えてそよ風の奏でる森の楽曲が聞けるかもしれません。
 さて、ジーゼの語る物語。それはサムや久須那の見聞きした物語でもありました。幾多にも幾重にも彼らの思いが重なってやがて大きなひとつの木になります。星霜を越えて、リテールの信仰に影響を与えた伝説はまだ始まったばかり。え? お昼ご飯、どうしようかって……?