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interlude 3(明日の森)
サムや申のことを思い出すと森は哀しみの色に染まっていきます。それがエルフの森がいつも哀しさの色合いを保ているわけ。決して、忘れえない悲哀な出来事が森を覆っているからです。ジーゼの無限とも言える時間の中で、大切な人たちが一度にあんなにいなくなったのは初めてのこと。淋しさ、儚さという名の嵐が吹き荒れて、ジーゼの心は哀しみでいっぱいになってしまいました。それからの長い年月、ジーゼの傷ついた心が癒されることはありませんでした。 でも、今は少しだけ大丈夫。何故なら、あなたが耳を傾けてくれたから。「哀しみは人に話すことで半分に、幸せは倍になる」そう、でしたよね? さて、ジーゼのお話ももうすぐお終い。日が暮れてしまう前までに、お店に案内できそうですよ。え? お店なんか知らない? それはそうです。まだ、お教えしていませんから。そこがどんなお店なのかはまだ内緒なんです。急かさなくてもちゃんと辿り着きますからね。 では、お話の続きは歩きながらお話ししてもらいましょうか?