12の精霊核

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--. intermezzo 7(心惑わす悪夢の煌めき)

 十二の精霊核の伝説は一体何だったのか。近頃、そんなことをよく考える。伝説の名の由来になった十二コの精霊核。ジングリッド天使長とシオーネ教皇の野望の実現のためにリテール各地から集められた精霊核。あたしが見られたのはそのうちの四種類だけだった。ジーゼの深緑、シルトの漆黒、エルダの水色、ゼフィの純白。そのどれも美しくて、欲深きもののココロを惑わせそうだった。煌めきの向こうに秘められた時をも越える大きな力がみんなを狂わせた……。
 けれど、天使の地位向上を願ってきたと言うマリスには何があったんだろう。フツーに、ホントにフツーのはずだったマリスの望郷の思いに何があったんだろう。どこで、おかしな闇が立ちふさがるような迷路に迷い込んだんだろう。きっと、マリスは心の底から自分の居場所を探していただけなんだ。久須那がいて、迷夢がいて、その他の天使たちがいて。でも、マリスはこのリテールに居場所を見つけ、作ることが出来なかった。だから、異界への道を開き、リテールに異界を持ち込みたかったのかもしれない。そこに自分の居場所を求めて……。
 それがマリスにとって、唯一、正しいこと、暗闇に射す一条の光だったような気がする。
 その一条の光が迷夢と久須那に遮られた。リボンちゃんやサスケ、ゼフィに縋っていたたった一つの希望を断ち切られちゃったんだ。可哀想……? あたしは同情しない。どんなことがあっても、越えちゃいけない一線をマリスは越えたんだから。

Leo 26, 1516 リボンちゃんのふさふさ毛並みのお腹の上で? セレス。